【3月6日 Xinhua News】中国広東省の深圳地下鉄全線で、金融ICカード(銀聯モバイルクイックパスおよび銀聯ICカードクイックパスを含む)による改札サービスが開始され、市民生活がより便利になった。深圳地下鉄、港鉄軌道交通(深圳)と中国銀聯が先ごろ共同発表した。

 関係者によると、金融ICカードは各銀行が発行した「銀聯」および「Quick Pass」のマークが付いたICチップ銀行カード(デビットカードとクレジットカードを含む)を指す。銀聯クイックパスは各種モバイル決済に対応しており、利用者は携帯電話のロック解除やアプリの起動をすることなく、支払いを完了できるという。

 深圳地下鉄関係者は「乗客が改札に入ると、カード発行元がまずカードから深圳軌道交通の普通運賃の最高額14元(1元=約17円)を凍結し、支払金額を確保する。改札を出た後に実際の乗車金額が引かれるが、タイミングが遅れることもある」と説明し、「スマート機器による改札の通過は、今回の金融ICカード改札サービス導入の注目点だ。金融ICカードにひも付けされたスマートフォンやスマートウオッチ、ブレスレットなどのウエアラブル端末は、インターネットに接続されていない状態でも地下鉄の改札で直接使用できる」と述べた。

 深圳地下鉄はここ数年の拡張に伴い、利用者が増加し続けている。同地下鉄全線の1日あたりの平均利用者数は2018年、延べ512万人に達した。金融ICカード改札サービスの導入で運賃支払い方法を多様化し、乗客のさまざまな需要に応える。

 深圳地下鉄運営本部総経理の陳琪(Chen Qi)氏は「深圳地下鉄はここ数年、運営に科学技術を取り入れる取り組みを進めており、モバイル決済による乗車券の購入や受け取り、2次元バーコードによる改札通過、自動運転の研究などのプロジェクトを推進している」と述べた。

 中国銀聯深圳支社副総経理の胡篠軍(Hu Xiaojun)氏によると、銀聯は次の段階で、粤港澳大湾区(広東・香港・マカオビッグベイエリア)の公共交通におけるモバイル決済の活用推進を継続していくという。(c)Xinhua News/AFPBB News