【3月5日 AFP】ベネズエラの野党指導者フアン・グアイド(Juan Guaido)氏は4日、ニコラス・マドゥロ(Nicolas Maduro)政権により身柄を拘束される危険を冒して同国の首都カラカスに帰還し、数千人の支持者の歓声に迎えられた。

 暫定大統領への就任を宣言し、50か国以上から承認を受けているグアイド氏は先月下旬、喫緊に必要とされる人道支援物資が隣国コロンビアで足止めされている状況を打開すべく、マドゥロ氏による出国禁止令に逆らってベネズエラを出国。だが物資搬入強行の試みは失敗に終わり、同氏は自身を支持するコロンビア、ブラジル、アルゼンチン、パラグアイ、エクアドルの近隣諸国を歴訪していた。

 カラカスのシモン・ボリバル国際空港(Simon Bolivar International Airport)にはグアイド氏の到着の際に支持者や報道陣、同盟国の大使らが殺到した。グアイド氏はその後市内に向かい、数千人の熱狂的な支持者から迎えられた。

 グアイド氏は群衆を前に「私たちは自らの直面するリスクを知っており、それによって止められることは決してなかった。政権、独裁政府は理解しなければならない」と表明し、マドゥロ氏への圧力を強めるための新たなデモ行進を9日に実施すると発表。国旗や十字架、若いグアイド氏の肖像画を掲げた市民らは「グアイド! グアイド!」「あなたならできる!」と歓声を上げた。

 マドゥロ氏はグアイド氏が帰国時に裁きを受けることになると宣言していたため、グアイド氏のベネズエラ帰国はマドゥロ氏に真っ向から挑戦することになる。

 マイク・ペンス(Mike Pence)米副大統領はグアイド氏の帰国に先立ち、ツイッター(Twitter)に「彼(グアイド氏)に対する脅迫や暴力、威嚇はいかなるものであっても容認されず、迅速な対抗措置につながる」と投稿し、マドゥロ氏をけん制した。(c)AFP