【2月18日 AFP】英ロンドン北部のハイゲート(Highgate)墓地にあるドイツ人思想家カール・マルクス(Karl Marx)の墓碑が、2週間もたたずに再び荒らされた。墓地の管理団体が16日、明らかにした。

 墓碑には赤いペンキで「ジェノサイド(大量虐殺)の立案者」「テロと抑圧」「大量殺人者」「憎悪の教義」などの言葉が落書きされていた。

 マルクスの墓は、今月4日にも本人と家族の名が刻まれた大理石板が金属製の鈍器で繰り返したたかれ、破損する被害を受けていた。この大理石板は墓の中で最も古く、最ももろい箇所だった。

 ハイゲート墓地は16日、ツイッター(Twitter)の公式アカウントに、落書きされた墓碑の写真とともに「マルクスの墓碑が再び荒らされた。今回は赤いペンキで、大理石板もたたき壊された」と投稿。「無分別だ。愚かだ。無知だ。マルクスの遺産をどう思おうとも、これは主張する手段ではない」と非難した。

 共産主義による世界革命を唱えたマルクスは1849年にロンドンに移住し、1883年3月14日に同地で死去した。

 ブロンズ製のマルクスの胸像が載った高さ約3.7メートルの御影石の墓碑は、1956年にグレートブリテン共産党(Communist Party of Great Britain)の出資で建てられたもので、英国の第1級指定建造物に指定されている。(c)AFP