【2月14日 Xinhua News】ここ数年、スマートTVは日増しに広がり、消費者に新たな体験をもたらし、テレビを見て、テレビを使い、テレビで遊ぶことが多くの家庭では日常のレジャー手段となりつつある。旧来のCRT(ブラウン管)テレビから液晶テレビ、現在の人工知能(AI)テレビまで、「リビングルーム経済」は絶えず隆盛となり、一連の画面変遷の背後にあるのは、科学技術の進歩と消費高度化の証しだといえる。経済参考報が伝えた。

 中国のカラーテレビ市場はすでに飽和状態にあり、ここ2年、中国のカラーテレビ産業は楽観できない情勢だ。市場調査を手掛ける中怡康のデータによると、2018年、中国のカラーテレビ販売台数は前年比2.7%減の4653万台、カラーテレビの売り上げは11.4%減の1421億元(1元=約16円)だった。中怡康の予測では、今後3年でさらに小幅に落ち込むとみている。

 現在、カラーテレビ市場販売総量は相対的に低迷しているが、製品構造の高度化傾向はより鮮明となっている。中怡康の統計では、現在、中国のテレビ保有台数は5億5000万台、うちの1億台はCRTテレビで、2億2000万台は非スマートTVで、残りの2億3000万台はスマート液晶テレビとなっている。スマートテレビは市場の主流となりつつある。

 カラーテレビ市場では成長の原動力が足りない中、スマートテレビが製品高度化の動向に順応していることから、国内各テレビメーカーが競って布石を打つ重点となっている。海信電器(ハイセンス)は最近、インターネットテレビのアクティブユーザーは4037万、うち、国内ユーザーは3225万に達したと発表した。TCL集団股份有限公司がこのほど発表した販売データによると、2018年のスマートテレビ販売台数は40.3%増の2118万2000台だったという。

 専門家によると、現在、スマートテレビはAIテレビ時代に入っており、音声認識、HCI(ヒューマン・コンピューター・インタラクション)などが消費者を引き付けるセールスポイントの一つだという。奥維雲網(AVC)のデータでは、2018年第1~3四半期(1~9月)、AIテレビの市場占有率は49.5%に達し、テレビ販売台数の2台に1台がAIテレビとなっている。

 「大画面時代はすでに到来し、AIテレビが市場の主流になる」と、海信電器販売会社の王偉(Wang Wei)総経理は述べ、65センチ大画面とAIテレビは、中国のカラーテレビ市場が「買い替え・モデルチェンジ」という新段階に突入する際の「寵児(ちょうじ)」になるという。

 国内消費をさらに喚起するために、国家発展改革委員会、工業・情報化部などの10部門・委員会はこのほど、「供給適正化により消費の安定成長をさらに推進し、強大な国内市場の形成を促す実施方案」を共同で発表し、環境配慮型・スマート家電の販売を後押しし、家電製品の買い替えとモデルチェンジを促進する方針を打ち出した。

 長城証券では、今後の家電業界の販売量は、家電製品保有台数の持続的な拡大によるほか、よりスマート化された製品の高度化需要から増えるとの認識を示している。AIとIoT(モノのインターネット)が今後のカラーテレビ市場の新たな成長分野を切り開くカギとなりそうだ。(c)Xinhua News/AFPBB News