【2月1日 AFP】サッカー日本代表主将の吉田麻也(Maya Yoshida)は31日、カタール代表との第17回アジアカップ(2019 AFC Asian Cup)決勝を控え、ピッチ内外での問題が大会の名を汚していると警告した。

イングランド・プレミアリーグのサウサンプトン(Southampton FC)に所属する吉田は主催者に対し、アジアサッカーの評判を落とす恐れがある「愚かな」出来事に迅速に対処するよう求めた。

 アジア・サッカー連盟(AFC)は、2人のカタール人選手の出場資格に関する抗議を開催国であるアラブ首長国連邦(UAE)から申し立てられ、現在調査中だとAFPに明かしており、吉田の嘆願はそれを受けてのものだった。

 吉田は「罰則や出場停止の処分はAFCがコントロールすべきだと思う」とコメントし、日本が3-0で勝利したものの、あと少しで乱闘になるなど大荒れになった準決勝のイラン戦についても言及した。

「しかし、もし(大会が)世界中で放送されるなら、特に試合後には愚かなことは見たくないと言っておきたい」

「僕らは『#bringingasiatogether(アジアを一つに)』というハッシュタグの下、アジアを代表している。だから、フェアプレーと良いサッカーをみせることでアジアというものを示すのが重要だ」

 開催国のUAEでは、断交中のカタールに敵対するファンが頻繁に侮蔑の言葉を浴びせており、この大会スローガンはむなしく響いている。

 4-0で勝利したUAEとの準決勝で、カタールの選手はペットボトルや靴を投げつけられた。この恥ずべき行為は大会の名を汚しており、AFCは改めて調査を行うことになった。

 また、日本が優勝候補のイランに勝利した一戦も乱闘寸前となり、こらえ性のないサルダル・アズムン(Sardar Azmoun)の平手打ちに激しく反応すると、吉田自身もチームメートに抑えられた。

 アブダビで1日に行われる決勝を心待ちにしている吉田は、「エレベーターで何人かのイランの選手と会い、彼らは試合の時のことを謝ってきた」と明かした。

「あすは自分たちの戦いを世界に示すためにも、両チームがフェアプレーをみせ、100パーセントの努力を出すことを期待している。日本だけでなく、アジアサッカー界にとって大きな一歩になる」

 今大会では物議を醸す判定がいくつかあり、開催国のUAEが試合終盤にPKを獲得し、相手の選手や監督が怒りをあらわにするケースが2度あった。

 吉田は「アジアでの戦いでは、自分たちの精神面をコントロールするのが重要だ」と続ける。「審判の判定も欧州や日本とは完全に異なっている。僕らはうまく順応したと思う」と続けた。

 決勝では、時宜を得てチームの調子をピークに持ってきた日本が有利だとみられており、大会最多となる5度目の優勝を目指す。(c)AFP/Alastair HIMMER