【2月4日 CNS】香港メディアの報道によると、香港の富豪で長江実業(CK Hutchison Holdings)の創立者李嘉誠(Li Ka-Shing)氏が2018年5月に引退し、長男の李沢鉅(Victor Li)氏が同社主席を引き継いでいるが、李嘉誠氏はもはや3代目の育成を開始した模様だ。

 関連資料によると、弱冠23歳の孫娘の李思徳(Michelle Li)氏は18年5月、長江実業が投資をしている香港の仏教寺院「慈山寺(TSZ SHAN MONASTERY)」の董事に任命され、さらに同12月末には李ファミリーが経営する「兆豊地産」(CB Commercial Property Management)の董事に就任、李ファミリーの「本拠地」の不動産事業に参画することになった。ただ『香港明報(Mingpao)』の問い合わせに対し、長江実業の回答は得られていない。

 兆豊地産の登記資料によると、李思徳氏は18年12月17日から同社の董事に就任している。同社の定款によると、72年9月に長江実業が上場された年に設立され、主要な経営項目は不動産投資、開発、融資などの不動産関連業務となっている。

 同社の業務は、李嘉誠氏の旗艦企業である長江実業に比べれば、ずっと地味なものであった。当時の設立メンバーは李奕氏と李澍霖氏、この2人はそれぞれ李嘉誠氏のおじといとこにあたる。

 兆豊地産の株式は80年からは李嘉誠氏に譲渡され、初期には李嘉誠氏の右腕である周年茂(Chow Nin-Mow)氏が董事に加わっていた。

 その後2000年頃から李嘉誠、李沢鉅、李沢楷( Richard Li)三氏の親子3人と長江実業の元老である鮑綺雲(Pau Yee-Wan)氏が董事となっている。18年末に李思徳氏が参画したことで、同社は20年ぶりの董事会メンバーが変動した。

 長江実業が2015年に行った組織再編時の資料によると、兆豊地産は現在李嘉誠ファミリーの私的企業に属し、当時、不動産を主な事業としていた長江実業との私的合資会社Jabrin Limitedと兆豊及び長江実業がそれぞれ20%と80%の株式を持っている。(c)CNS/JCM/AFPBB News