【2月14日 CNS】中国の不動産関連企業の間に、資金調達の新たな高まりが18年11月ごろから3か月続いている。今年は年明け早々、ほぼ毎日のように不動産会社の資金調達計画が発表されている。

 碧桂園(Country Garden)は1月18日、2022年に期限満了を迎える利率7.125%、5億5000万ドル(約601億7000万円)の優先債と、2024年満期、利率8%、4億5000万ドル(約492億3000万円)の優先債を発行したと発表した。碧桂園は、優先債発行で得られた資金は主に、保有する外債の借り換えに用いると述べている。

 また、招商局蛇口工業区控股(China Merchants Shekou Industrial Zone)は同日、15億元(約243億5520万円)、120日満期のコマーシャルペーパー(CP)の発行に成功したと発表した。

 禹洲地産(Yuzhou Properties)も1月16日に、2022年満期、利率8.625%、金額5億ドル(約547億円)の優先債の発行を発表。ほかにも、1月には正栄地産集団(Zhenro Group)など多くの不動産会社が大口の中期債や社債の計画を発表している。

 このうち、例えば陽光城集団(Yango Group)のように、建物の売掛債権を担保にローンを組むというような新たな調達方式も見られるが、総額は20億元(約324億7360万円)を超える規模ではない。

 中原地産(Centaline Property)の統計によると、大手不動産会社の1月以降の資金調達計画はすでに40件を超え、資金ローン限度額の合計は1000億元(約1兆6237億円)を超えている。

 中古を含む全国の不動産情報を分析する諸葛找房数據研究中心の陳雷(Chen Lei)首席分析員によると、「1月の不動産企業の資金調達計画の主な内容は、自社発行の各種債券だ」としている。

 不動産企業の資金調達が最近集中して続いている理由については、陳氏は「18年末に債券が満期を迎えた企業が多く、償還圧力が高まった。近頃は不動産企業の資金調達への力の入れ方が強まっており、政府の管理・監督が緩んだということではない。調達資金はほぼ『新ローンで旧ローンの返済をする』という使われ方だ」と述べている。

 中国の不動産企業は、2018年から次々に債務返済時期に差し掛かって来ている。一方、不動産販売は同年後半から弱含みになっており、金融部門による引き締めが強化されている要素を加味すれば、陳氏は「今年の不動産企業のキャッシュフローはさらに厳しさを増す」と予測する。

 陳氏は「一般的に、不動産企業がまず選択するのは国内での資金調達だ。海外での調達は比較的難度が高い。海外の格付け機関の中国の不動産企業に対する格付けは概して低く偏っているので、その分金利が高めになる。一方、18年以降は国内のローン環境は緊縮方向。多くの企業で資金圧力が高まり、その結果として資金調達を海外に求めることになっている」と分析している。(c)CNS/JCM/AFPBB News