【1月25日 AFP】米誌「ブレティン・オブ・ジ・アトミック・サイエンティスツ(Bulletin of the Atomic Scientists)」は24日、人類による地球破壊までの残り時間を比喩的に示す「終末時計(Doomsday Clock)」の時刻を、昨年と同じ残り2分と発表した。情報戦が気候変動や核戦争などの世界の重大な脅威を増幅させ、文明の将来を危うくしていると指摘している。

 同誌は、地球温暖化や核戦争の懸念増加に加え、事実の操作やフェイク(偽)ニュース、情報過多といった要因により、人類による地球破壊の危機が過去最大規模に達していると説明。

「人類は同時に2つの実存的脅威に直面しており、いずれも重大な懸念を引き起こし喫緊の注意を要するものだ。核兵器と気候変動というこれらの重大な脅威は、世界各地で民主主義を損なうため行われる情報戦の拡大により、この1年で増幅し、これらやその他の脅威からのリスクを増大させ、文明の将来を極めて危険な状態に陥れている」と指摘した。

 同誌のレイチェル・ブロンソン(Rachel Bronson)社長兼最高経営責任者(CEO)は米首都ワシントンでの記者会見で、終末時計が今年は進まなかったことについては「安定のしるしと捉えるべきではない」と警告。「もっとも危険だった冷戦(Cold War)期と同じほど憂慮すべき状態だ」として、現状を「ニューアブノーマル(新異常態)」と評した。(c)AFP/Sylvie LANTEAUME, with Kerry SHERIDAN in Tampa