【1月13日 AFP】サッカーイングランド・チャンピオンシップリーグ(2部)に所属するリーズ・ユナイテッド(Leeds United)のマルセロ・ビエルサ(Marcelo Bielsa)監督が、同リーグに所属するダービー・カウンティ(Derby County)との試合を前に、その練習をスパイしていたことが分かった。監督がスパイ派遣を認め、クラブが謝罪を行っている。

 ダービーは11日の試合前日に、練習施設に「不審な行為」をする人物が侵入していたため警察に通報したと発表した。この件には、ダービーのフランク・ランパード(Frank Lampard)監督も怒っている。

 ビエルサ監督は11日、アルゼンチン代表を率いていた2002年の日韓W杯南米予選の頃から、20年近くにわたって対戦相手の練習のスパイを常習的に行ってきたことを認めた。アルゼンチン代表やチリ代表、欧州各クラブの指揮官を歴任してきた監督は「そこにリーズ・ユナイテッドの人間がいたのは事実だ」「責任は私にある。私の責任だ」とコメントした。

「違法性の有無や、正しいかどうかは問題ではない。フランク・ランパードとダービー・カウンティが、おかしい、私の行為が間違っていると感じたことがすべてだ」「クラブの許可は取っていない。私の責任でやったことだ」

「言いわけをするつもりはないが、アルゼンチン代表監督としてW杯予選を戦っていた頃から、こうしたことを繰り返してきた」

 クラブは12日、ビエルサ監督とスタッフに対して、リーズでは「品位と誠実さ」が求められると注意を与えたことを明かした。

「昨日のマルセロ・ビエルサ監督のコメントを受け、監督とスタッフには、品位と誠実さこそがリーズ・ユナイテッドの土台であることを思い出してもらうようにする」

「すでに当クラブのアンドレア・ラドリッツァーニ(Andrea Radrizzani)会長がダービー・カウンティのメル・モリス(Mel Morris)会長と面会し、公式に謝罪を行っている。この件に関して、われわれからこれ以上のコメントは差し控える」

 この件はイングランド・サッカー協会(FA)がすでに調査を始めており、ダービーのランパード監督は、ビエルサ監督がシーズンを通じてスパイ行為を繰り返していたのであれば、なんらかの処分が下るはずだと考えている。両監督は試合前の握手は行ったが、プレミアリーグのチェルシー(Chelsea)やイングランド代表で活躍したランパード監督は、ビエルサ監督の行為がスポーツマンシップに反するものだと話した。

「本人が認めているから、簡単に処理できる。どう処理するかはリーグしだいだ」「少なくとも、スポーツマンとしては良くないというのが私の意見だ」「『他の土地ではやっていたことだし、それが文化だ』と言われようが、私には通用しない」

 試合はリーズが2-0で勝利し、リーグ首位を守っている。(c)AFP