【2月5日 CNS】中国・山西省(Shanxi)長治市(Changzhi)上党区にある蔭城鎮(Yincheng)のご当地料理「蔭城豚湯(Yinchengzhutang、豚の煮込みスープ)は、明代末期から清代初期にかけて街で流行し、現在に至るまで高い名声を誇る郷土料理だ。

 同地域広場にある李春生(Li Chunsheng)さんの営む「蔭城豚湯」の店は、まだ肌寒さの残る早朝から大賑わいだ。

 李さんの家は3代続けて蔭城豚湯の料理店を営んでおり、作り方はすべて祖父から学んだという。30年以上この場所で屋台を構え、以前は一杯0.5元(約8円)だったが、今では4元(約64円)で販売している。

 蔭城は、上党区内に古くからある町の一つで、現地に硬貨を製造する工場労働者が多いことから、豚湯が非常に重宝されていた。

 豚湯と呼ばれる豚の煮込みスープは、一度火を通して下処理をした豚の内臓や頭部の肉、豚足の筋などに豚骨スープを加え、さらにひと煮立ちさせる。最後に黒酢と薬味のネギを加えて出来上がりだ。

 李さんによると、豚の内臓処理に最も工夫があるという。まず大きな寸胴に内臓を午前中いっぱい水に浸し、内臓に付着した汚れなどをきれいに取り除く。午後にさらに水で洗い流し、寸胴の水がきれいになるまで洗い続けると肉の鮮度が増すという。

 また、スープの作り方も非常に研究している李さん。新鮮な豚骨を鍋に入れ、水を加えながらコトコト煮込んでいく。煮込んでいる間に丁寧にあく抜きをし、スープが白く濁り出すまで続ける。

 李さん夫婦は年間で200日ほど店を開ける。午前3時に起床し、営業は同5時から。同11時頃にいったん店を閉め、午後2時からまた営業を始めるという生活を37年間続けている。また、李さんの下で修行した弟子たちも、今では近隣地域で店を構えている。

「蔭城豚湯」は2017年、山西省の食の無形文化遺産にも登録された。李さんは「蔭城豚湯」の保存加工食品化を望んでおり、より多くの地域に広まってほしいと話している。(c)CNS/JCM/AFPBB News