■中国の高齢者人口は毎年746万人増

 緑書によると、中国はすでに高齢化社会の新たな段階に入ったという。中国の高齢者人口は2010~40年の間に急速に増え、平均の1年あたりの増加率は3.62%。毎年平均746万人、延べ2億2400万人が増えるとしている。

 この間に、1950〜60年代に生まれた世代が高齢者となる。2040年になると、高齢者の比率は23.84%で、1年の増加比率は0.51ポイントとなる。

 馬参事は高齢者人口の問題について「国として全力を挙げ、社会保障制度改革や社会保険にあてる資金の収支バランスなどの問題を早急に解決していく。定年退職年齢の引き上げも課題だ」と説明した。

 中国はかつて、労働力が急速に増加した時期があり、労働力の無限の供給が経済発展の重要な条件だった。当時の中国経済の優位な点でもあったが、21世紀に入り、重大な変化が起こった。2003年に出現した「民工荒(訳:出稼ぎ労働者不足)」は、中国の労働力の「無限供給時代」の終えんを意味した。そして、2013年になると、労働年齢人口(16歳~64歳)は前年比で160万人減少し、中国の潜在的労働力資源が縮小する時代の幕開けとなった。

 労働力が減少に転ずることは、中国経済にとって重大な変化だ。労働力市場の需給関係に構造的変化をもたらすだけでなく、早急な諸制度の改革が求められている。(c)CNS/JCM/AFPBB News