【1月7日 AFP】ジョン・ボルトン(John Bolton)米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は6日、トランプ(Donald Trump)大統領が表明した米軍のシリア撤収について、同盟勢力の防衛体制確保が条件になるという見方を示した。米軍のシリア撤収がトランプ氏の当初の方針よりもはるかに長い時間をかけて行われることを示唆する発言だ。

 イスラエルを訪問中のボルトン氏は、エルサレムでベンヤミン・ネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相と会談した際、シリア北東部からの米軍撤収については、イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」を「打倒して再起不能にし、再び脅威とならないことを確実にする形」での実施方法を模索すると表明。「また、イスラエルと同地域の友人たちの防衛を保証し、ISIS(ISの別称)などのテロ組織に対して米国と共に戦ってきた人々を守っていかなければならない」とも話した。

 トランプ氏が先月に米軍のシリア撤収を表明した際には、同盟諸国には懸念が広がったほか、ジェームズ・マティス(James Mattis)国防長官の退任にもつながっていた。イスラエルは特に、米軍撤収後のシリアで敵国イランが影響力を増すことを危惧している。

 NBCニュース(NBC News)の報道によると、ボルトン氏はこれに先立って同行の報道陣に対し、米軍撤収には同盟関係にあるクルド人勢力の安全確保などの条件がまず満たされなければならないという見方を示したほか、シリアに駐留する米軍部隊2000人のうち一部は撤退しない可能性にも言及。シリアの北東部からは撤収しても、イランへの対抗措置の一環として、南部のタンフ(Al-Tanf)駐屯地での残留はあり得ると述べた。(c)AFP/Mike Smith