【12月26日 AFP】韓国と北朝鮮は26日、南北をつなぐ鉄道と道路の再連結・修復事業の着工式を行った。

 鉄道・道路の連結事業は、韓国の文在寅(ムン・ジェイン、Moon Jae-in)大統領と北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン、Kim Jong-Un)朝鮮労働党委員長が、二国間関係の改善を目指して9月に合意した措置の一つ。象徴的な意味合いが強い式典は軍事境界線沿いにある北朝鮮側の都市、開城(ケソン、Kaesong)の板門(パンムン、Panmun)駅で開かれた。

 ただし韓国政府は今回の式典について、南北をつなぐ鉄道・道路の再連結および近代化事業を実際に開始することを告げるものではないと強調した。

 韓国統一省の報道官は、式典は「約束のしるし」にすぎないとコメントし、工事は「北朝鮮の非核化と制裁をめぐる状況の進展」次第だと述べた。

 一方で北朝鮮の鉄道当局幹部は、同国が核放棄するまで制裁を維持するという米国の方針に、韓国が歩調を合わせることをやめるというのが自国の見解であると繰り返し強調。「もし(韓国が)誰かの様子をうかがって辺りを見回し、ぐらつき続けるならば、再統一は決して成し遂げられないだろう」と語った。

 1950~53年の朝鮮戦争が平和条約の締結なしに休戦を迎えたため、南北は厳密にいえば依然として戦争状態にある。制裁を受ける北朝鮮は、韓国に共同事業の断行を求めている。(c)AFP