【12月21日 AFP】ロンドンからニューヨークに向かっていたパンアメリカン航空(Pan Am)103便のボーイング(Boeing)747型機が、英スコットランドのロッカビー(Lockerbie)上空で爆破され270人が死亡した1988年のロッカビー事件から21日で30年を迎える。

 1988年12月21日の夜、ロンドンのヒースロー空港からニューヨークに向けて飛び立ったボーイング747は、離陸から約40分後、ロッカビーの上空9400メートルで爆発。乗客乗員259人全員と、地上にいて航空機の残がいで住宅を壊されるなどした11人の計270人が死亡した。

 乗客の大半はクリスマスで帰国する米国人だった。この事件で死亡した米国人は180人に上り、2001年9月11日の米同時多発攻撃以前では前例のない犠牲者数となった。リビアと欧米の関係も長期にわたって冷え込んだ。

 困難な捜査の結果、リビアの情報機関員アブデルバゼット・メグラヒ(Abdelbaset Ali Mohmet Al-Megrahi)元受刑者が27年の禁錮刑を受けた。メグラヒ元受刑者は健康上の理由でスコットランド当局により釈放され、2012年に死去した。

 2003年には当時の最高指導者ムアマル・カダフィ(Moamer Kadhafi)大佐率いるリビア政府が事件への関与を公式に認め、被害者遺族らに対し27億ドル(現在のレートで約3000億円)の賠償金を支払った。(c)AFP