【12月5日 CNS】近ごろ「人工知能(AI)専攻の博士は年収80万元(約1300万円)」とのニュースが、インターネット上で話題になった。以前から期待されてきたAI業界が、これでまた注目の的となった。

 情報によると、このニュースは、「第一財経(China Business Network)」の記者が「第20回中国国際高新技術成果交易会人才智力交流会」で得たもので、ある企業が、AI専攻の新卒博士の年収を、昨年の50万元(約820万円)から今年の80万に引き上げると表明したことによる。AIに進出することは決めたものの、新人への報酬をいくらにするか決めていない企業も、ITの大企業からAI人材を引き抜く準備を進めている。

 中国の高度人材の大手求職サイトである「猎聘(Liepin)」で人気の職種を検索すると、企業のAI人材の需要は急速に膨らんでいる。インターネット、電子商取引、金融、医療、ファンド、不動産、自動車などの業界などだ。

 報酬を見ると、AI人材の年収は全般的に高く、一部の高級職種の年収は100万元(約1600万円)を超えるものもある。AI人材は高度で数が少ないため、ヘッドハンターが目を向ける対象となっているのだ。「猎聘」の検索結果からも、ヘッドハンターのAI人材への関与度が非常に高いことが分かる。

 全体的に見ると、AI分野の人材競争が明らかに激しくなっている。特に、自動操縦、コンピューター視覚、音声識別、自然言語処理、機器学習、知識推理などの核心的な分野だ。このほか、「猎聘」の職種検索結果によると、AI業界の精鋭に対して350万元(約5800万円)以上の年収を提示する企業も少なくない。しかも、多くの企業は年収以外に、ストックオプションやRSU(制限付き株式)などをインセンティブとして合わせて提供するとしている。その多くは、多国籍企業やユニコーン企業、世界のトップ500企業などだ。(c)CNS/JCM/AFPBB News