抖音は今年7月、世界のアクティブユーザーが5億人を超えたと発表。「快手」も10月、1日あたりの平均アクティブユーザーが1億3000万人になり、1日の平均使用時間が60分を超えたと伝えた。

 IT企業は、ショート動画は暇な時間を消化するためのツールにすぎないと言うが、時間は往々にしてどんどん過ぎ去っていく。

 孫萌さん(24)は最近本を買った。自分で定めた目標は、本を毎日1時間読むことだったが、後にショート動画に取って代わられた。「こんな状態はもうやめにしたい」と言う。

 大学1年生になったばかりの陳雨剛さんは、ショート動画を見始めた当初、彼女の友人の中で見る人はあまり多くなかったという。夜になると抖音を開き、瞬く間もなく2時間が過ぎる。「ハンサムな男を見られる以外、何も得るところが無い」

 IT企業はさまざまな鑑賞体験や豊富なコンテンツなど、ユーザーの興味を引き留めるため、努力を積み重ね製品を作ってきた。他方では、ネット中毒の問題にも直面している。

 抖音は4月、ネット中毒防止システムを導入。ユーザーが90分間連続視聴すると、システムが視聴者に対し注意を喚起するように設定した。1日あたりの使用時間が2時間を超えるとシステムは自動的に停止し、ユーザーは改めてパスワードを入れ直さないと継続して利用できない仕組みとした。

 抖音だけでなく、中国最大のインターネットゲームの『王者栄耀(Honor of Kings)』、グーグル(Google)、アップル(Apple)、フェイスブック(Facebook)などインターネット関連の製品は、相次いで「中毒」防止システムを導入している。こうした「中毒」を防止しなければいけないのはゲーム業界だけではなく、また対象者もすべての年齢の人たちだ。

 しかるに、ネット上で抖音を検索すると、中毒防止システムを解除する攻略サイトが多く見つかる。IT企業自身が「矛(ほこ)」も「盾(たて)」も売るような状況では、やはりネットユーザー自身が真に覚醒することが必要なのだろう。(c)CNS/JCM/AFPBB News