【11月7日 AFP】サッカー元イングランド代表のデビッド・ベッカム(David Beckham)氏が共同オーナーを務める米メジャーリーグサッカー(MLS)の新クラブ、インテル・マイアミ(Inter Miami)が、新スタジアムの建設候補地となる土地のリース交渉を行う権利を住民投票で認められた。ベッカム氏も、自身の夢へさらに大きく近づいたことを喜んでいる。

 ベッカム氏を中心としたMLSの新クラブ創設とリーグ参入の構想は、2014年の発表から承認まで約5年を要し、特に新スタジアムの候補地選定は困難を極めたが、6日の住民投票で賛成多数が得られた結果、同氏のグループが99年間の土地のリース契約交渉を入札なしで行えることになった。

 グループが候補地に予定しているのが、マイアミ空港(Miami International Airport)の近くにある市内唯一の市営ゴルフ場で、約30ヘクタールの広さを持つメルリーズCC(Melreese Country Club)。グループにとっては5番目の候補地で、ベッカム氏らはスタジアムだけでなく、巨大ショッピングモールや公園、ホテル、オフィスビルなどを含めたボールパークを造る構想を立てている。

 ベッカム氏はAFPに対し「ついてきてくれたファンの皆さんに大きな感謝を伝えなくてはならない」「きょうはエキサイティングな日。われわれは、この素晴らしい街にサッカーチームをつくるという夢を抱いてきた。子供たちが憧れるレガシーを創出したい」「しかし同時に、われわれは勝ちたい。ここに来たのは、ただ良いチームをつくるためだけじゃない。優勝することが大切だ」と語った。

 ただし、スタジアム建設へのハードルはまだ多い。グループは、マイアミ市委員会を構成する5人のメンバーのうち4人の承認を得なければならないが、2人は反対派として知られる。また、メルリーズはもともと有毒な廃棄物が捨てられていた場所で、土地の清掃に数千万ドルが必要とも言われるが、反対派はこの費用に税金が使われる可能性を指摘している。

 そのため、リーグはインテル・マイアミが2020年から参入することを強調しているものの、チームは当面、ナショナルフットボール(NFL)のマイアミ・ドルフィンズ(Miami Dolphins)の本拠地ハードロック・スタジアム(Hard Rock Stadium)や大リーグ(MLS)のマイアミ・マーリンズ(Miami Marlins)のスタジアムなど、別会場を本拠地として戦わなくてはならないとみられる。(c)AFP/Steve Brenner