【10月30日 AFP】カナダで、31年前に息子を夫に誘拐された女性が先週、息子との再会を果たした。警察当局が29日に明らかにしたところによると、この夫は息子を米国へと連れ去り、偽名を使って育てていたという。

 母親のリネス・マン・ルイス(Lyneth Mann-Lewis)さんと、現在33歳のジャーメイン・マン(Jermaine Mann)さんは、先週初めて対面。

 トロントで行われた記者会見で、リネスさんは泣き崩れながらつらい日々を回想し、「息子が誘拐されてからの31年間は長くつらい道のりだった」「数多くの困難な日々を耐えてきた」と話した。

 再会した際にジャーメインさんはリネスさんを抱き締めてキスを返し、「お母さんは僕と同じ目をしている」と話したという。

 その一方、ジャーメインさんの父親で、リネスさんの元夫であるアラン・マン・ジュニア(Allan Mann Jr.)容疑者(66)は先週の26日、米コネティカット州で逮捕された。カナダとガーナの二重国籍を持つ同容疑者は1987年、裁判所命令で監視下に置かれた状態で当時生後21か月だったジャーメインさんの元を訪問。その際にジャーメインさんの誘拐に及んだ疑いがもたれている。

 父親は親子に関する偽造文書を手にし、ジャーメインさんに対して母親は数十年前に死亡したと説明。同州ハートフォード(Hartford)郊外で偽名を使って暮らしていた。(c)AFP