■「厳しい」対応

 17日、トルコの親政権派日刊紙イエニ・シャファク(Yeni Safak)は、カショギ氏がサウジ総領事館内で拷問された後、頭部を切断され殺害されたと報じ、その様子を記録した音源もあると報じた。

 米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)は、トルコ政府が特定したカショギ氏失踪事件の容疑者の1人はムハンマド・ビン・サルマン(Mohammed bin Salman)皇太子の付き人で、別の3人についてはサルマン皇太子の警護隊関係者だと報道した。

 ここにきてトランプ大統領は、カショギ氏が死亡したとの見方を受け入れ、サウジ政府の関与が証明されれば「非常に厳しい」対応は免れないと警告した。

 19日、地元メディアはトルコ警察当局がイスタンブール近郊の森林での捜索を開始と報道。また、総領事館および公邸は既に捜索済みと伝えた。

■口論の末「殺害」

 20日、サウジ政府が、総領事館内でカショギ氏が殺害されたことを認めた。

 サウジのシェイク・サウド・モジェブ(Sheikh Saud al-Mojeb)司法長官は、話し合いが「口論と殴り合い」に発展し、カショギ氏が死亡したと発表した。検察当局は、サウジ国籍の18人を拘束したことを明らかにした。

 同日、サルマン皇太子の最側近であるアフマド・アシリ(Ahmad al-Assiri)総合情報庁副長官と、王室のメディア顧問サウード・カハタニ(Saud al-Qahtani)氏の解任についてもサウジ政府が発表している。

 サルマン国王(King Salman)は、情報機関改革のため、サルマン皇太子を議長とする大臣級の機関設置を命じた。

 21日、サウジのアデル・ジュベイル(Adel al-Jubeir)外相は、米FOXニュース(Fox News)のインタビューで、犯行はサルマン皇太子の命令ではなかったと語った。