小さくてかわいらしく、泣き虫で良く笑う福原は、中国のファンに「瓷娃娃(Ci Wa Wa)(日本語訳:壊れやすいお人形さん)」と呼ばれた。外見や性格、試合での愛くるしい振る舞いは中国のファンを喜ばせた。

 中国ナショナルチームの劉国梁(Liu Guoliang)監督はかつて福原について、「素晴らしい。かわいらしくて、親しみやすい。僕らは彼女をあまり日本人として見ていなかった。中国チームの中の一メンバーみたいな感覚だった」と語った。小さい頃から中国で練習していた福原は、多くの中国人と友達になったのだ。

 友人の中には、中国代表や省代表チームのメンバーも含まれる。中国代表の主力・劉詩ウェン(Liu Shiwen)は、福原と関係が最も良い選手の一人だ。劉は福原と中華台北の卓球選手、江宏傑(Jiang Hongjie)の結婚式にも招待され、花嫁の介添人を務めている。福原の引退声明後、劉もすぐに情報を転送すると共に祝福した。

 劉は「引退のニュースを知り、複雑な気持ちです。今後は、試合会場で会うことはなくなるので、プライベートで会いましょうね!みんなにたくさんの美しい時間と思い出を残してくれてありがとう!あなたの未来の人生が幸せで順調でありますようお祈りします!」と書いている。

 中国と日本のライバル関係は、世界卓球の焦点の一つだ。福原は疑いもなく、日本と中国のスポーツ交流の懸け橋となった。

 戦績からいえば、福原は卓球界で最も強く輝いていた選手ではない。しかし、「勝てば官軍、負ければ賊軍」の卓球の世界では、最も個性のある存在だったと言えよう。石川佳純(Kasumi Ishikawa)や平野美宇(Miu Hirano)といった若い選手が成長してきた現在、「壊れやすいお人形さん」はようやく10年以上担って来た重荷を下ろし、新しい生活を楽しむ時が来たのだ。

 福原はブログの中で書いたように、卓球に対する愛をずっと持ち続けることだろう。(c)CNS/JCM/AFPBB News