■「アルコールと似た酔い、二日酔い知らず」

 しかし他の企業はまだまだ消極的で、今のところ反応はさまざまだ。

 米コネティカット大学(University of Connecticut)とジョージア州立大学(Georgia State University)の研究者らは昨年、医療マリフアナが合法化された米国の複数の郡で、酒類の販売高が12.4%落ち込んだことを突き止めた。

 この発表について、コロラド州の醸造家、キース・ビラ(Keith Villa)氏は、「大麻の影響を論じるのには時期尚早だ」と指摘する。

 人気の高いベルギースタイルの小麦ビール「ブルームーン(Blue Moon)」を製造しているビラ氏は、マリフアナの精神活性成分であるテトラヒドロカンナビノール(THC)を含むノンアルコール飲料の製造・販売を計画している。「普通のビールと同じように、アルコールと似た酔いは得られる」とビラ氏。「けれど、翌朝の二日酔いはないはずだ」

 カリフォルニア州では今年の夏、オランダのビールブランド「ハイネケン」の傘下にあるビールメーカー、ラグニタス(Lagunitas)が、飲む人に多幸感をもたらすノンアルコール飲料「ハイファイ・ホップス(Hi-Fi Hops)」の販売を開始した。

 一方、糖分の多い清涼飲料水離れが消費者の間で進む中、売り上げが落ち込んでいるソフトドリンクメーカーにも、大麻ドリンク需要の伸びを無視できる余裕はない。

 米飲料大手コカ・コーラ(Coca-Cola)をめぐっては先ごろ、カナダのオーロラ・カナビス(Aurora Cannabis)と大麻入り飲料の生産について協議していると報じられた。

 一方、米飲料・食品大手ペプシコ(PepsiCo)のヒュー・ジョンソン(Hugh Johnston)最高財務責任者(CFO)は今月、米経済専門局CNBCに対し、大麻入り飲料については依然「批判的に考えており」、同様の飲料を開発する計画はないとの考えを表明している。