セレーナと主審との騒動によってかすんでしまったフラッシング・メドウズ(Flushing Meadows、全米オープン)での大躍進の勝利について、「ほろ苦い」ものだったと告白した大坂は、中国の名選手として知られた李娜(Na Li、リー・ナ)氏から同大会での偉業を祝福された。

 しかし、全米オープンで衝撃的な勝利を挙げてスポーツ界で名声を築きつつある20歳の大坂は、グランドスラムのシングルスでアジア勢初の優勝者となった李氏から称賛を受けたことに恐縮した様子で、「李娜さんが私のことを話してくれてうれしい!」と話した。

「一つのグランドスラムで終わるつもりは絶対にないし、もっと勝ちたいと思っているのは当然のこと。だけど、今は全豪オープンテニス(Australian Open Tennis Tournament 2019)ではなく、シンガポールに目を向けなければ」

 グランドスラム通算23勝の絶対女王を倒した全米オープンの後、大坂は東京と北京で立て続けにツアーに出場していたため大勝利のインパクトを振り返る時間はなく、「このまま前進していく。一つの場所にとどまっているつもりはないし、全米オープンで勝ったことだけを考えているような精神的な余裕はない」「これまでと違うとか、自分が変わったとかは特に感じていない」と語った。

 現在は中国オープンで痛めた背中の治療を行っている大坂だが、女子の強豪選手と一緒にシンガポールでプレーすることに「わくわくしている」とコメント。シーズン開幕当初は68位だった世界ランキングも女子の日本人選手では最高位にまで到達し、さらに歴史を塗り替える日も手が届くところまできている。

「そのことについては、自分でもすごくうれしい。(伊達)公子も世界4位まで到達したから、これで一緒に並んだことになる。まだシーズンは終わっていないから、とにかくプレーを続けて、どこまで行けるか試してみたい」 (c)AFP