■「休薬日」

 抗レトロウイルス療法(ART)では、薬を決められた通りに服用し続けなければHIVを抑制できなくなり、他の人々をHIVに感染させるリスクが増大する。また、多くのARTには不快な副作用が伴う。

 今回の研究には参加していない米オレゴン健康科学大学(Oregon Health and Science University)のナンシー・ヘイグウッド(Nancy Haigwood)氏はAFPの取材に対し、最新の治療法がもたらす最大の潜在的恩恵は、ARTから離れる「休薬日」をHIV感染患者に与えることだと思われると語った。

「数か月の間、薬から『離れる』ことを可能にするこれまでにない安全な治療法として抗体を利用できる可能性がある」と、ヘイグウッド氏は述べた。

 今回の研究結果は有望である一方、抗体が有効な状態を保つ時間を長くするためには、さらに試験を重ねる必要があると、研究チームは指摘した。

 エイズ関連の死者数はこの10年でほぼ半減したが、2017年には180万人がHIVに感染したことを、国連(UN)のデータは示している。2017年のHIVによる死者数は94万人だった。(c)AFP/Patrick GALEY