【9月27日 AFP】マドリードにあるサッカースペインリーグ(La Liga)本部の壁には、スペイン語で「El mundo es nuestro campo de juego(世界がわれわれのピッチ)」と書かれている。間もなく、この言葉は比喩ではなくなるかもしれない。スペインリーグは今、リーグ戦の米国開催を検討し、国内リーグ戦の在り方そのものや、ホームゲームの定義に切り込もうとしている。

 リーグは先日、来年1月26日に米マイアミのハードロック・スタジアム(Hard Rock Stadium)でジローナ(Girona FC)対FCバルセロナ(FC Barcelona)の試合を行う予定だと発表。国際発展部門を統括するオスカル・マジョ(Oscar Mayo)氏は、「リーグの競争力を保つには、世界に対して扉を開かなければならない」と話した。

 しかし、リーグへの風当たりは強い。スペインサッカー連盟(RFEF)は21日、米国開催に反対する旨をリーグに通達した。両クラブの上層部はすでにリーグの要望書に署名しているが、主力選手はまだ疑問を持っている。またRFEF以外にも、米国サッカー連盟(USSF)と欧州サッカー連盟(UEFA)、北中米カリブ海サッカー連盟(CONCACAF)、そしてスペインスポーツ評議会(CSD)の承認が必要になる。

 国際サッカー連盟(FIFA)のジャンニ・インファンティーノ(Gianni Infantino)会長とレアル・マドリード(Real Madrid)のフレン・ロペテギ(Julen Lopetegui)監督は難色を示し、バルセロナのエルネスト・バルベルデ(Ernesto Valverde)監督も「目指してはいるが、実現までの道のりは遠い」とあまり乗り気ではない様子をうかがわせている。

 しかしリーグはひるまない。マジョ氏は「シーズンに1試合まで」と「伝統の一戦『エル・クラシコ(EL Clasico)』は国内で」を越えてはいけない一線として挙げつつ、開催を目指している。リーグは「レレバント・スポーツ(Relevent Sports)」社と15年契約を結び、米国とカナダでサッカーのプロモーション活動を活発化させることを決めている。そのため、仮に今季は実現しなくても、開催は時間の問題だとする見方もある。

 マジョ氏は「試合開始の時間を変更したときと同じだ」と話し、「革新や激変に最初は戸惑うだろうが、時間とともに慣れていく問題でもあるし、いずれは賢明な決断だったと誰もが感じられるはずだ」と続けた。