【9月12日 AFP】10月に実施されるブラジル大統領選に立候補を届け出ていた元大統領のルイス・イナシオ・ルラ・ダシルバ(Luiz Inacio Lula da Silva)被告(72)について、所属する労働党(PT)は11日、立候補を取り下げ、代わりに副大統領候補のフェルナンド・アダジ(Fernando Haddad)元サンパウロ市長を大統領候補に繰り上げると発表した。ルラ被告は収賄罪で禁錮12年の有罪判決を受け今年4月から収監されており、先月には選挙高裁が同被告の立候補を無効とする決定を下していた。

 裁判所が設定した候補者変更の期限が迫る中、労働党はルラ被告が収監されている南部クリチバ(Curitiba)で集会を開き、大統領候補の変更を承認した。

 ルラ被告の収監先近くに集まった多く支持者を前に、アダジ氏は自身を後継者に指名する内容の同被告からの手紙を読み上げた。

 ブラジル大統領選に関する世論調査では、収監中にもかかわらずルラ被告が支持率でトップだった。ルラ氏が出馬を断念したことで右派の元陸軍将校ジャイル・ボルソナロ(Jair Bolsonaro)氏が支持率トップに踊り出たものの、大統領選の行方は混迷している。アダジ氏が第2回投票に進めるかどうかは、ルラ被告の支持基盤を維持できるかどうかが鍵となりそうだ。(c)AFP/Rosa Sulleiro