【9月12日 AFP】9日に行われた世界ロードレース選手権(WGP 2018)第13戦サンマリノGPのMoto2クラス決勝で、ライバルが乗っていたバイクのブレーキを握ったイタリアのロマーノ・フェナティ(Romano Fenati)が、ライセンス剥奪の処分を受け、同国の連盟から全大会の出場を禁止された。

 これに先立って22歳のフェナティは、所属チームのマリネッリ・スナイパーズ・チーム(Marinelli Snipers Team)から解雇されたほか、来季から加入する予定だったフォワード・レーシング(Forward Racing)でのシートも失い、競技からの引退を表明していた。

 ミサノ・ワールド・サーキット・マルコ・シモンチェリ(Misano World Circuit Marco Simoncelli)で開催されたレースで、カレックス(Kalex)のバイクを駆っていたフェナティは、ともに時速200キロ以上のスピードで走っていたスッター(Suter)のステファノ・マンシィ(Stefano Manzi、イタリア)の方にバイクを傾けながら相手のブレーキレバーを握った。

 マンシィはバランスを崩しかけたものの、コントロールを回復。この数周前には、マンシィがフェナティを抜こうとして接触し、両者とも大きくコースアウトする場面があった。

 その後、フェナティは10日になって自身の「恥ずべき振る舞い」を謝罪。競技からの引退を表明すると同時に、今後は学位を取得するため、復学するという。

 フェナティは日刊紙レプブリカ(La Repubblica)に対し、「モーターサイクルの世界とはお別れだ。二度と走らないだろう。自分が間違っていたし、それが真実だ。全ての人に謝罪する」と語った。

 その一方で「私のヘルメットとレザーを見るか?黒い細長いものがついているだろう。マンシィのラバーだ。彼は3度にわたり私にアタックを仕掛け、私を殺しかねなかった」と付け加えている。

「最後にアタックを受けたのは(ブレーキを握った場面の)500メートル手前だった。それで『今度は自分も同じことをやってやる。自分が悪くなるかもしれないが見せてやる』と思った。それでやっと事の大きさを理解するだろうとね。でも、彼を一度も傷つけたいと思ったことはないと誓う」 (c)AFP