【9月10日 AFP】マダガスカルの首都アンタナナリボにあるサッカースタジアムで9日、群集事故が発生し、少なくとも1人が死亡し、37人が負傷した。同国のフルジャ病院(Hrja Hospital)が発表した。

 同院の理事を務めるオリバ・アリソン・ラコト(Oliva Alison Rakoto)氏はAFPに対し、「現場で死亡した1人と重体患者2人を含む計41人が当病院に搬送された」とコメントした。

 同氏はまた「重体の2人は頭部及び胸部に外傷がある」とコメントし、負傷者の中にはすでに退院した人もいると明かしている。

 群集事故はアフリカネイションズカップ(2019 Africa Cup of Nations)予選のマダガスカル対セネガル戦のキックオフ直前に、スタジアムの入り口で発生した。

 目撃者によれば、この試合のキックオフ時間は午後2時30分だったにもかかわらず、会場となったマハマシナ・スタジアム(Mahamasina Stadium)には早朝から数千人のファンが待機していたという。

 病院に運ばれた30歳の女性はAFPに対し、自身のおじはこの試合を観戦するため午前8時に家を出発していたと話している。

 女性は「おじは事故で踏みつぶされこの病院に搬送されたと聞かされた」と話し、「あれほど大きい試合なのに、なぜ一つの入り口しか開かれなかったのか理解できない」と続けた。

 また、ある男性のファンは仲間とともに午前6時から列に並んでいたと話しており、「事故が起きたとき、われわれは入り口から1メートル半離れた場所にいた。背中をおしつぶされそうになったが、リュックサックがその衝撃を和らげてくれた」とコメントしている。

 このような事故が発生したにもかかわらず試合は予定通りにキックオフされ、スタジアムには2万人の観客が訪れた。

 フルジャ病院に駆けつけた負傷者の家族は待合室にあったテレビでこの試合の行方を見守り、マダガスカルが得点を決めると歓声も響き渡った。試合は2-2の引き分けに終わった。(c)AFP