【9月1日 CNS】中国の大学は、新入生を迎える時期だ。4年間の大学生活を始める新入生にとって、学生寮での生活は非常に重要だ。生活を共にすることになるルームメイトは、全国各地から来るため、生活習慣や性格や趣味はそれぞれ違う。寮内の人間関係に適応することは、大学生にとって避けられない問題だ。

 南京大学(Nanjing University)は、ビッグデータの「推薦算法(リコメンドアルゴリズム)」を用いて、新入生のために考え方や趣味が近い同室者を決めるとして注目を集めている。

 同大学は昨年から、インターネットで実施したアンケート結果をもとに、新入生の生活習慣に応じて部屋割りを決めている。今年は手法を改善し、新入生の生活習慣や趣味、嗜好(しこう)などの統計を取り、アルゴリズムを用いて、データ間の近似度を量的に分析。性格や趣味の近い新入生同士を同室にすることで、大学生活に適応してもらおうという内容だ。

「管理コストの範囲内で、学生の立場に立って物事を考え、学生に寄り添おうという姿勢だ」と同大学職員の郭亜敏(Guo Yamin)さんは言う。

■同室者が夜ふかし型でも良いか?シャンプーの貸し借りはOK?

 8月初め、南京大学は2018年度入学の新入生に対してアンケート調査を行った。調査項目は衛生習慣、消費傾向、趣味など広範にわたる。

 朝寝坊タイプか早起きか、同室者が遅くまで就寝しているのを許せるか。エアコンの使い方や、トイレットペーパーやシャンプーの貸し借りを許せるかなど、非常に細かい。

「昨年はあくまで試行だったので、調査のやり方も部屋割りも手探りだった。今年は、設問や技術面もバージョンアップした」と同大の郭さん。「大量のアンケート調査を行い、学生の意見に耳を傾け、学生自身に寮内の平和と安定に影響を与える要素は何かを考えてもらった」

 アンケートは、長期的な追跡が必要だ。南京大学は近年、専門チームで追跡調査を行っている。寮生活を送ってきた2年生や3年生を対象に情報を収集し、学生からのフィードバックを日常的に記録しているという。