【8月28日 東方新報】近ごろ、中国・河南省(Henan)鄭州市(Zhengzhou)の都市内貨物輸送専門の物流プラットフォーム「58速運」の運転手らは、社名を「快狗打車(Kuai Gou Da Che、訳:速い犬)APP」に変更すると知らされた。車の外側を飾るロゴも「快狗打車」に張り替えるよう求められているが、一部の運転手は「狗(犬)」には屈辱的な意味合いがあるとして不満を表し、新しいロゴに張り替えることを拒否する事態になっている。

 問題を受けて同社は、声明を発表。「快狗」のブランドは「スピードが速くて安定しており、信頼に値する」という意味を内包しており、ほかの意味はいっさい無いと説明した。だが、社名を変えなければならないのなら、辞めてほかの会社に行くと言い出す運転手もいた。

■「犬」は「速くて安全、信頼できる」?

「快狗打車APP」の名称は、17日に発表された。「58速運」と香港の貨物輸送アプリで著名なGoGoVanが昨年に合併したことを背景に、社名をGoGoVanの中国語名「快狗速運」から引用することとしたと微信(ウィーチャット、WeChat)公式アカウントで明らかにした。新社名は、速くて安全で信頼できる貨物輸送のプラットフォームという意味だと説明した。

「58速運」の運転手らが語ったところによると、会社の指示に従わずに「快狗」の張り替えない運転手は、罰金処分の対象になるという。

 新しい名称は、消費者を侮辱していると誤解される可能性があると不満げな運転手もいる。

 地元の多くの運転手は発表の直後、「58速運」鄭州支社にやってきて不満をぶつけた。すでに多くの顧客が注文する際に不快感を表し、またある顧客は直接電話をかけてきて「早く犬に荷物を取りに来させろ」とまで言われたという。

 快狗打車APP側は、騒ぎを受けて20日に微博(ウェイボー、Weibo)を通して発表した声明で、今後の戦略的施策を打ち出し、進めていくのが「快狗打車APP」という新しいブランドなのだと説明している。「過去と未来を問わず、『快狗』プラットフォームに『速くて安全で信頼できる』イメージが根付くことを願っている」

 声明には、社名を元に戻す可能性は示されていない。