【8月2日 AFP】仏パリの観光名所エッフェル塔(Eiffel Tower)で1日午後、チケットの種類ごとに異なるエレベーターを使わせる新方針に抗議して従業員がストライキを決行した。ストは2日も実施される予定。

 エッフェル塔は昨年1年に600万人が訪れたパリ有数の観光スポット。現場の掲示物によると、グリニッジ標準時(GMT)1日午後2時(日本時間同日午後11時)に閉鎖された。

 エッフェル塔の運営事業者によると、1日午後、経営陣と労働組合との協議が物別れに終わったことを受けて、従業員たちがストライキに踏み切った。事前に閉鎖されていなかったので、スト入りした時点で既に中に入っていた観光客もいたが、その人たちは見終わるまで中にいることを許されたという。

 親と一緒に初めてフランスを訪れたという韓国人女性は、今回のストについて「きのう知った。うそであってほしいと思ったが、本当だった」「本当に残念」とAFPに語った。

 経営陣は先月、1日分のチケットの半分を日時指定券としてインターネットで事前に販売することを決めたが、従業員側はこの決定に反発している。「鉄の女」とも呼ばれる高さ324メートルのエッフェル塔の前売り券の比率はこれまで、わずか20%にすぎなかった。

 さらに、券の種類ごとに別々のエレベーターを使わせる運用も開始。公共部門最大の労組連合組織、フランス労働総同盟(CGT)も、この運用方針が「時に異様に長く、たいていは不均等でもある行列ができてしまう」と批判している。

 午後の早い時間帯のような非ピーク時の場合、日時指定券用のエレベーターは半分空いていることもあるのに対し、当日券用のエレベーターは最大3時間待ちの行列になりかねないという。

 従業員側は、購入した券の種類にかかわらず、どのエレベーターも使えるようにすることを求めている。(c)AFP