【7月28日 AFP】米メディア大手CBSは27日、セクハラ疑惑が持たれている同社の会長兼最高経営責任者(CEO)レスリー・ムーンベス(Leslie Moonves)氏(68)の調査を開始した。同氏は米国で最も高い報酬を得ているCEOの一人で、セクハラ告発運動「#MeToo(私も)」で名前が取り沙汰されている中で最も社会的地位の高い人物の一人でもある。

 芸能誌ハリウッド・リポーター(Hollywood Reporter)は、ハリウッドで最も影響力のある人物とされるムーンベス氏が、相手が望んでいないキスや愛撫をしたとする内容の記事を米誌ニューヨーカー(New Yorker)が同日掲載する予定だと伝えた。この話がウォール街(Wall Street)に広まると、CBSの株価は6.6%安の53.72ドルに急落。6.1%安の54.01ドルでこの日の取引を終えた。

 その後、ニューヨーカー誌は問題の記事を発表。これによるとムーンベス氏と仕事上の付き合いがあった女性6人が、1980年代から2000年代にかけてムーンベス氏からセクハラを受けていたと同誌に語ったという。4人は会議中に無理やり愛撫(あいぶ)やキスをされ、2人は「物理的に威圧」され、キャリアをつぶしてやると脅されたという。

 ムーンベス氏は、「数十年前に何人かの女性に言い寄ろうとして不愉快な思いをさせたことがあったと認める。これらは過ちであり、深く反省している」との声明を出した。ニューヨーカー誌の記事は、CBSの現・元従業員30人が、同様の行為はムーンベス氏をはじめCBS ニュース(CBS News)や看板報道番組「60ミニッツ(60 Minutes)」など同社の重要部門にまん延していたと証言したとしている。(c)AFP/Jennie MATTHEW