【7月25日 AFP】動画配信大手の米ネットフリックス(Netflix)の新TVドラマシリーズ「インセイシャブル(Insatiable)」に対し、太っている人をばかにしているとの批判が集まっている。同作の公開中止を求める署名活動も行われ、24日までに12万5000人以上が賛同している。

 米女優アリッサ・ミラノ(Alyssa Milano)さんやデビー・ライアン(Debby Ryan)さん出演の同作は、クラスメートにからかわれている太めの少女が減量して復讐(ふくしゅう)を狙う物語で、8月10日から配信予定。

 嘆願書の文言には、同シリーズが若い女性に自分の体を自分の価値とすることを推奨し、ダイエットの悪しき文化のみならず女性の体のモノ扱いも永続化させると記述されており、さらに嘆願書は「このシリーズの公開を阻止する時間はまだある、幸せになったり価値ある存在になったりするには痩せなければならないと少女たちが思い込み、自信を喪失する惨事を止めなければ」と訴えている。

 一方、ライアンさんは自身のインスタグラム(Instagram)のアカウントに「女性の体が社会で辱められたり、じろじろと見られたりすることをとても気掛かりに思っている人間として、インセイシャブルに出演できたことは大変うれしい。この作品は風刺を通じてこうしたものに取り組み、そして立ち向かうものだから」と投稿し、同シリーズを擁護した。

 また、ライアンさんは自分の役について「体形の変化を経験する、でも幸せになれない。太っていることをからかうつもりはない。痩せていることに価値があるとする、有害で破綻したシステムに厳しい目を向けようとしている」と指摘した。

 AFPはこの件についてネットフリックスにコメントを求めたが、回答は得られなかった。ここ最近、ネットフリックスはTVドラマシリーズ「13の理由(13 Reasons Why)」が青少年の自殺をあおっていると非難されており、この件でも論争の的となっている。(c)AFP