【7月25日 AFP】中国製薬業界の腐敗疑惑をめぐる書き込みがインターネットで大反響を呼び、中国人の間でふたたび製品の安全性に対する不安が高まっている。

 今回のワクチン製造大手による不正疑惑は、既に揺らいでいた規制当局に対する信頼を完全に失墜させるとともに、見識を高めてきた中国の消費者がいらだちを強めていることも浮き彫りにした。

 製薬会社、長春長生生物科技(Changchun Changsheng Biotechnology)が狂犬病ワクチン生産に関する記録を捏造(ねつぞう)していたことが発覚し、同ワクチンの製造中止を命じられたと初めて報道されたのは1週間以上前のこと。

 しかし先週末になって、長春長生生物科技が低品質な商品を市場に流通させるために贈賄などの不正行為を長年にわたって行ってきたとする投稿が拡散したことを受けて、ソーシャルメディア上で同社に対する怒りが爆発した。

 この投稿の出所や信ぴょう性についてはいまだに確認がとれていない。しかし、中国の検閲当局はこの投稿の拡散を防ごうと躍起になっており、削除と拡散のいたちごっことなっている。

 扱いの難しい国家的な問題がめずらしく世間に公表された中、大勢の怒れるユーザーがこの投稿や、商品の安全性に関する別の情報をシェアしている。

 中国の国家食品薬品監督管理総局(CFDA)は先週、問題の狂犬病ワクチンは長春長生の工場から出荷されたものではないと発表した。しかし長春長生は、品質基準を満たしていない別のワクチンを出荷したことを認めている。

 このワクチンはジフテリア・百日ぜき・破傷風の3種混合ワクチンで、品質基準を満たしていないことを規制当局が明らかにした。長春長生は、接種25万回分のこのワクチンを昨年山東(Shandong)省に販売したと明らかにしている。