クロアチアのW杯決勝進出、近隣諸国で分かれる評価
発信地:ベオグラード/セルビア
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■白一色のユニホーム
バルカン半島には1990年代に13万人が死亡した紛争の爪痕が今も残っており、共通の言語や文化を持っているにもかかわらず、多くの人々がクロアチアを応援できないのが現状で、特に今回のW杯で決勝トーナメント進出を逃したセルビアではその傾向が顕著になっている。
6月上旬には、セルビアの首都ベオグラードのサッカースクールに通う子ども向けに「ミニW杯」が行われた。そこでは、各チームがW杯本大会に出場した32か国のチームカラーを着用したが、クロアチア代表については例外で、セルビア人の感情を損ねるのを避けるために、白一色のTシャツを着ることを余儀なくされた。
また、テニスの四大大会(グランドスラム)で通算12勝を誇るノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic)は、最も有名なセルビア出身のスポーツ選手で、母国では崇拝されているが、W杯でクロアチアを応援することを表明すると、与党セルビア進歩党(Serbian Progressive Party)の国会議員から「クロアチアを応援するのは、愚か者だけだ。恥ずかしくないのか、ノバク?」とツイッター(Twitter)で非難された。
さらに、セルビアのアレクサンダル・ブチッチ(Aleksandar Vucic)大統領も、W杯準々決勝のロシア対クロアチアで開催国を応援することをまるで隠そうともせず、「ロシアを応援する、これは私の権利だ。セルビアは民主主義社会であり、誰もが望み通りにチームを応援する権利を持っている」と述べていた。