【7月14日 CNS】中国・北京で現在進んでいる「トイレ革命」は、公衆トイレのサービスの質の向上を図ることで、トイレ環境を改善することを目的としている。今年は、「美しい農村建設計画」とともに都市部と農村部合わせて580か所で「トイレ革命」を実現する。

 公衆トイレは、その街、さらにはその国の民度を映し出す鏡だ。北京には1万9008か所の公衆トイレがあり、世界の大都市と比較しても世界一の保有数だ。

 近年、北京は急ぎ足で「トイレ革命」を進めてきた。省エネ、環境保護、資源循環の理念をもとに、汚れや臭い、排水、し尿処理などの問題に取り組んできた。2016年には804か所、17年には1145か所の公衆トイレの改修が完了している。

 北京の「トイレ革命」は、トイレを新たに建て直すのではなく、豪華にするのでもなく、便利で衛生的で快適な無臭のトイレを目指している。

 北京市西城区(Xicheng)の、改造が終わったばかりの公衆トイレを訪れてみると、エアコンと空気処理システムが導入されており、「冬は寒くなく、夏は暑くなく、万年無臭」の公衆トイレに変身していた。

 北京市西城区の環境衛生サービスセンターの康勇(Kang Yong)基建科科長によると、この公衆トイレは、気体40%と水60%を混合した節水型だという。同区には724か所の公衆トイレがあるが、今年中に500か所、来年の上半期には残りの224か所の改造を予定しているという。

 郊外の公衆トイレの改造も、大都市の「トイレ革命」にとっては重要な部分だ。農村部にはまだくみ取り式の公衆トイレも存在し、半径数メートルで臭う。北京市は今年、郊外の12か所の公衆トイレの改造にも取り組む予定で、新幹線や飛行機で使用されている真空トイレの技術を導入するという

 通常の水洗トイレで使用する水は6リットルだが、真空トイレの場合はたった0.5リットル。節水率は90%以上だ。

 北京市は20年末までに、北京周辺の農村の古い公衆トイレをすべて改造し、村民を汚くて臭いトイレから救うとしている。(c)CNS/JCM/AFPBB News