【7月2日 AFP】1日投開票のメキシコ大統領選で、反既成政党を掲げて地滑り的勝利を確実にした左派・対米強硬派のアンドレス・マヌエル・ロペスオブラドール(Andres Manuel Lopez Obrador)氏は、勝利宣言で「大幅な変化」をもたらすと約束する一方、独裁化への懸念は否定し、「友好的で協力的な」対米関係を追及すると述べた。

 頭文字を取って「アムロ(AMLO)」の通称で知られるロペスオブラドール氏をめぐっては、南米ベネズエラのような政策を導入して国内経済を台無しにする恐れがあるとの批判がある。

 これに対しロペスオブラドール氏は、「われわれの新しい国家事業が目指すのは、真の民主主義だ。独裁体制の構築など、表立ってはもちろん、隠れてですら求めていない」と演説し、自由の保障や、民間セクターの尊重、分裂した国内勢力の和解を約束。大統領に就任したら権威主義的な傾向をあらわにするのではないかとの懸念払拭に努めた。

 また、ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領に「身の程を思い知らせてやる」と発言するなど対米強硬姿勢を示していた選挙戦中の態度とは打って変わって、メキシコの主要貿易相手国である米国との「友好的で協力的な」関係の追求を言明した。

 一方のトランプ大統領は同日、ロペスオブラドール氏の圧勝に祝意を表し、共に働くことを「とても楽しみにしている」とコメント。ツイッター(Twitter)に、「米国とメキシコの双方にとって利益になることがたくさんある!」と投稿した。

 米メキシコ関係は、トランプ大統領の保護主義的な貿易政策と反移民政策によって過去最悪な状態まで冷え込んでいる。(c)AFP