【6月24日 AFP】サッカー杯ロシア大会(2018 World Cup)でメキシコが韓国を下した試合後、首都メキシコ市では、またしても喜びに沸く無数のファンが街へ繰り出し、予定されていた「ゲイ・プライド(Gay Pride)」のパレードを巻き込むようにして代表の勝利を祝福した。

 メキシコサッカーには伝統的に同性愛を嫌う風潮があるが、この日は勝利の喜びの方がはるかに勝ったためか、両者には一体感があった。

 チームが韓国を2-1で下し、ベスト16入りに大きく前進すると、興奮したファンたちは、集会によく使われる独立記念塔(Angel of Independence)そばの広場へ大挙して訪れた。広場にはすでにゲイ・プライドの行進に参加する人たちがひしめいていたが、それでもこの日は、サッカーファンもLGBT(レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー)のパレード参加者も、みんな一緒になって大いに喜んだ。

 営業の仕事をしているという26歳の女性は「本当にすごい。みんなが互いにおめでとうと言い合う心の余裕が持てている。パレードと同時に、メキシコの勝利のお祝いにもなっている。私たちは平等で、みんな同じメキシコ国民なのだから、ありのままの互いを愛し合えるようにならなくちゃいけない」と話した。

 そして、ブブゼラの音が鳴り響くなか、メキシコ代表のユニホーム姿の家族にもみくちゃにされつつ、「メ・ヒ・コ!メ・ヒ・コ!」と一緒に叫んだ女性は「とってもとってもうれしい。韓国に悲鳴を上げさせてやったのを見たでしょ」と笑顔で言った。(c)AFP/Jean Luis ARCE