【6月12日 AFP】米国のジェフ・セッションズ(Jeff Sessions)司法長官は11日、家庭内暴力や犯罪組織による暴力の被害者について、今後は亡命申請を認めないと言明した。中米からの不法移民流入を阻止するための措置。

 セッションズ司法長官のコメントは、長年にわたって夫からレイプなどの暴力被害を受けていたとしてエルサルバドル人女性が出していた亡命申請を認めた移民審査局の決定を覆すものだ。同司法長官は、亡命申請者は迫害の原因が特定の社会的団体に属しているためだと証明しなくてはならないと語った。

 セッションズ司法長官は「外国には社会的、経済的、家庭的な理由や個人的な環境など、いくつもの理由で脅威や暴力にさらされている異国人もいるだろう。しかし亡命者法はあらゆる不運に対して救済策を提供するものではない」と述べ、これまで家庭内暴力被害者の既婚女性たちが特定団体による迫害の被害者として亡命が認められてきたことについて、特定団体の定義を拡大しすぎるべきではないとして、亡命認定基準を覆す判断を示した。

 また「ある国では家庭内暴力や犯罪組織といった特定の犯罪を効果的に取り締まれていないとか、特定の人たちが犯罪の被害者となる傾向が高いとか、そういった事実だけでは亡命申請の資格にはならない」と述べた。

 昨年には暴力が拡大する中米のホンジュラス、グアテマラ、エルサルバドルなどから米国に大量の移民が流入しており、セッションズ氏のコメントはこうした状況への対抗措置の一環となる。

(c)AFP/ Paul HANDLEY