【6月10日 東方新報】中国の一部の企業が、人材募集の「ブラックリスト」を作り、業界内で共有することで、求職者たちの就活が行き詰まるケースが出ている。

■静かにブラックリストを作る業界

 北京(Beijing)のある大学を卒業した李さん(仮名)は、たった1回の就活でブラックリストに入れられ、排除されるとは思ってもみなかっただろう。

「こんなにいい加減な応募者がいるとは!」

 最近、李さんと面接したある企業の人事担当者は、同じ広告業界の人事担当者500人が参加する微信(ウィーチャット、WeChat)グループに、李さんの履歴書とその問題点をアップした。「面接に遅刻するわ、態度がいい加減で、苦労をして給与条件に合意したのにその後は音沙汰なし…」

 これを見たグループの人事担当者たちは、ブラックリストに入れてはどうかと発言をした。いったんブラックリストに入れられてしまえば、李さんの求職データは今後、グループ内の広告企業からは弾かれてしまう。

■随時更新

 ある有名企業の人事担当者の王さん(仮名)にとっての日課は、ウィーチャットグループで求職者の履歴書をチェックすることだ。王さんの携帯には、約40業界のグループが登録され、絶えず求職者の情報が入ってくる。

「ここに入ってくる情報は、フィルターを通っているので価値がある。自分でインターネットを検索するより効率がよく、優秀な人材を容易に選ぶことができ、何よりも不良求職者のために時間を無駄にせずに済む」と王さんは言う。

「仮に面接で合格になったとしても、その後の調査で問題が発見されれば、随時ブラックリストに反映され、欠点のある求職者は調査から逃れられない」