【6月19日 AFP】サッカーW杯ロシア大会(2018 World Cup)のグループHに入っている日本代表のDF吉田麻也(Maya Yoshida)は、守備陣をまとめ、ゴールに襲い掛かってくるコロンビアのハメス・ロドリゲス(James Rodriguez)、セネガルのサディオ・マネ(Sadio Mane)、ポーランドのロベルト・レワンドフスキ(Robert Lewandowski)ら最も恐るべきストライカーからの失点を最小限に食い止めるといううらやましくない任務を背負っている。

 日本代表は大会のわずか2か月前にヴァイッド・ハリルホジッチ(Vahid Halilhodzic)前監督が電撃解任されたが、グループステージで強豪を迎え撃つことになる危機的状況は変わっていない。そのため、ハリルホジッチ氏の後を引き継いだ西野朗(Akira Nishino)監督がイングランドへ向かい、プレミアリーグのサウサンプトン(Southampton FC)でセンターバックとしてプレーしている吉田の本心を探るために同選手の元を真っ先に訪れたのは、少しも意外なことではないように思われる。

 W杯で最も忙しく動き回る選手の一人になるとみられているなかで、29歳の吉田はどこから基盤固めをしていくべきか西野監督に具申している。同選手は現実主義でどんな困難な状況にもどっしり構えており、全体的にしっくりこなかったW杯アジア予選でも、どのような信頼にも応えられる数少ない日本人選手の一人であることを示した。

 日本代表がW杯でどこまで勝ち残れるかは、チームの攻撃力が爆発することを前提とした上で、吉田をはじめとした守備陣がマネ、ロドリゲス、レワンドフスキのような脅威にどう対処するかにかかっている。

 吉田は優れた速度には欠けるものの侍魂の権化であり、セインツ(Saints、サウサンプトンの愛称)がリーグ降格を免れるのに貢献したフィジカルを生かした戦いが期待されている。

 しかし、日本と同組のライバルには破壊力を持つストライカーがそろっており、2014年のブラジル大会で日本がコロンビアに1-4で敗れた試合で、ロドリゲスがどれほど爆発力を発揮したかについて、吉田はしっかり記憶していることだろう。

 4年前の大会ではグループステージで敗退したが、それでも吉田はロシア大会に向けて高い目標を掲げており、日本のメディアに対して「ベスト16入りが現実的な目標。でも、これまで到達したことがない準々決勝まで勝ち残れるのが理想」と語った。(c)AFP