【5月31日 AFP】3月の総選挙以降3か月近くにわたって政局が混迷を深めるイタリアで、反既成勢力を掲げる第1党「五つ星運動(M5S)」のルイジ・ディマイオ(Luigi Di Maio)代表が30日、経済財務相の人事で大統領に譲歩を見せ、先週末に頓挫した極右政党「同盟(The League)」との連立政権樹立の動きを復活させた。

 ディマイオ氏は、強硬な欧州連合(EU)懐疑派のパオロ・サボナ(Paolo Savona)氏(81)の経済財務相への起用を見直す用意があると述べた。

 当初の連立の試みは、サボナ氏の起用案にセルジョ・マッタレッラ(Sergio Mattarella)大統領が反対したことで頓挫。マッタレッラ大統領は28日、国際通貨基金(IMF)元財政局長のカルロ・コッタレリ(Carlo Cottarelli)氏を暫定首相に指名した。

 しかし、コッタレリ氏は30日、マッタレッラ大統領と非公式に協議したものの組閣の発表には至らず、そのまま大統領府を辞去。マッタレッラ大統領は、両氏がディマイオ氏の提案を「大きな関心」をもって分析しているとコメントしている。

 ただ、ディマイオ氏の動きはサボナ氏の最も有力な支持者で、やはり強硬なEU懐疑派のマッテオ・サルビーニ(Matteo Salvini)同盟書記長の意向とは真っ向から対立する。支持率が右肩上がりの同盟はこれまで、再選挙にこだわってきた。一方で通信社AGIは、サルビーニ氏がこの問題についてディマイオ氏と協議すると表明したと伝えている。(c)AFP/Terry DALEY