■海外進出の新たな幕開け?

 1992年、X JAPANはニューヨークで記者会見を開き、米レコードレーベルとの契約を発表した。英語は発表を前に学んだ。だが、この時の世界最大の音楽市場への進出は成功しなかった。

 しかし、時代は変わったとYOSHIKIは指摘する。近年では、韓国人歌手PSY(サイ)やプエルトリコ人歌手ルイス・フォンシ(Luis Fonsi)といったアーティストらの英語以外の楽曲がヒットしているが、こうした現象はこれまでの全米ヒットチャートやラジオではあまり見られなかった。

「(あれから)二十数年が経過した今、インターネット、ユーチューブ(YouTube)、ソーシャルメディアなどなんでもある。ほとんど別世界だ」と、YOSHIKIは語る。

 一方、ロックというジャンルに関してはほぼ間違いなく、それまでの優越的な地位から追いやられようとしている。コーチェラでは、今年初めてロックバンド以外が各開催日のヘッドライナーを飾る。それでもYOSHIKIは楽観的だ。若い世代が様々なジャンルの音楽を楽しむことにより長けていると考えているからだ。

 今のYOSHIKIにとって英語が問題になることはない。ただ、ボーカルのToshlら他のメンバーと違い、自分は例外だとも話す。しかし、そのような状況については、「(最近は)完璧な発音でなくてもいいと考え始めた。自分たちは日本出身だ。もしかしたらちょっとしたアクセントがクールに聞こえるかもしれない」と、笑いながらコメントした。

■マリリン・マンソンとの友情

 YOSHIKIはロサンゼルスに活動拠点を移してから、米ロックミュージシャン、マリリン・マンソン(Marilyn Manson)との間に友情を育んだ。2人ともデヴィッド・ボウイ(David Bowie)の大ファンという共通点があった。

 YOSHIKIとってマンソンは音楽的な「インスピレーション」なのだという。今回、マンソンがX JAPANのレコーディングに参加したことも明らかにしたが、マンソンがどのような形でアルバムに登場するのかは不明だ。

 新しいスタジオアルバムは、ギタリストのHIDEが1998年に死去してから初のアルバムとなる。

 新作についてYOSHIKIは、HIDEがギターを担当していると思いながら楽曲のアレンジをしたと話し、「アルバムには彼の魂がこもっている」と続けた。(c)AFP