【4月10日 AFP】(更新)中国の習近平(Xi Jinping)国家主席は10日、海南(Hainan)島で開幕した「博鰲アジアフォーラム(Boao Forum for Asia)」で演説し、経済の開放をさらに進めると表明した。外資による自動車製造への過半出資を認める方針などを打ち出した。中国は保護主義を強める米国との間で貿易摩擦が激しくなっている。

 習氏は演説の中で「開放の新たな段階」に入ると確約したほか、中国は貿易黒字を求めないとも述べた。

 年内に自動車製造への投資を自由化し、輸入車への関税を引き下げるとしたほか、知的財産を守るとも強調した。これらはいずれも米国が中国に要求を突きつけている分野。

 習氏は「経済のグローバル化は不可逆的な時代の潮流だ」と述べ、「開放された中国経済は閉じられることはなく、ますます広く開かれていく」と続けた。

 この2日前の8日、ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領は、関税に対する報復の応酬を繰り広げるなど貿易をめぐって激しさを増している中国との対立について、交渉で解決するとの見通しを示した。

 しかしトランプ氏は翌日9日には、中国の米国製自動車に対する追加関税措置を非難。米国が輸入する中国製自動車の関税は2.5%なのに対し、中国が輸入する米国製自動車の関税は25%だとツイッター(Twitter)で指摘し、「ばかげた貿易」とぶちまけた。

 一方の中国外務省は同日、現状での米国との協議は「不可能だ」との認識を示していた。(c)AFP