【4月7日 AFP】総合格闘技大会「UFC(Ultimate Fighting Championship)」のスーパースターとして知られるコナー・マクレガー(Conor McGregor、アイルランド)は6日、ライバル選手を乗せたバスを襲撃した前日の事件で暴行と器物損壊の罪で訴追された後、5万ドル(約534万円)の保釈金を支払って保釈された。

「ザ・ノトーリアス(The Notorious、悪名高き者)」のニックネームを持つ29歳のマクレガーは、米ニューヨークのバークレイズ・センター(Barclays Center)で開かれたUFCのメディアイベント後、同スタジアムの駐車場からゆっくりと発車するバスの窓に向かって台車を投げつけている様子を動画で撮影された。監視カメラの映像では、マクレガーがバスの乗客1人に向かって椅子を投げつけている様子も録画されており、ブルックリンの裁判所で同日に行われた罪状認否では、警備員1人を殴ったことが判明した。

 UFCによると、今回の事件でライト級のマイケル・キエーザ(Michael Chiesa、米国)が顔に傷を負ったほか、フライ級のレオ・ボーグ(Ray Borg、米国)が複数の角膜擦過傷を負い、出場する予定だった「UFC 223」の棄権を余儀なくされたという。キエーザは自身のツイッター(Twitter)に、「打ちのめされていると言うしかない」と投稿した。

 5日にブルックリンの警察署に出頭して一晩を過ごしたマクレガーは、手錠をされたままで刑事裁判所に護送されると、ジーンズ姿のまま裁判官の前に立ち、「はい、裁判官」以外は何も話さなかった。保釈金は5万ドルに設定され渡航制限はなく、同選手の弁護士は「彼は地球上で最も顔が知られている。前科もなく、この保釈内容は適当なものである」と述べた。次回の審理は6月14日に行われる予定となっている。

 一方、UFCのダナ・ホワイト(Dana White)代表は米スポーツ専門チャンネルESPNのインタビューで、今週末に行われる「UFC 223」が終わるまでマクレガーの進退に関する判断は出さないと話し、5日の騒動についてはイベントの宣伝ではなかったと否定。番組司会者に対して「コナーはトラブルメーカーだ。周囲は気になっている質問として『コナー・マクレガーを解雇するのか?』と聞いてくる」と述べた。

「これは、コナー・マクレガーを解雇して済むような問題ではない。あらゆる動きが関係してくる。われわれにとっては前例のない事態だ。このスポーツや、とりわけUFCにとって恥ずかしい」

 マクレガーは3件の暴行罪と1件の器物損壊罪で訴追された。同じ格闘技選手で25歳のキアン・コウリー(Cian Cowley、アイルランド)もそれぞれ1件の暴行罪と器物損壊罪で訴追され、2万5000ドル(約267万円)で保釈された。(c)AFP/Jennie MATTHEW