【4月2日 AFP】仏ブランド「ベルルッティ(Berluti)」は3月30日に、アーティスティック・ディレクターのハイダー・アッカーマン(Haider Ackermann)が退任したと発表した。

 ここ最近メンズファッションの頂点で繰り広げられているデザイナーの就退任劇。コロンビア出身のアッカーマンがレーベルを率いたのはわずか18か月。彼の後任を務めるのは、11年間率いた「ディオール オム(Dior Homme)」を先週去ったクリス・ヴァン・アッシュ(Kris Van Assche)ではないかと噂されている。

仏パリ市内で発表された「ベルルッティ」18年春夏メンズコレクション(2017年6月24日撮影)。(c)AFP/BERTRAND GUAY

 アッカーマンは深い色彩のウィメンズのボヘミアンデザインで知られている。「ベルルッティ」ではわずか3コレクションしか発表していないが、ブランドに柔らかくフェミニンなイメージを与えた。一方クリス・ヴァン・アッシュは、きっちりとしたテイラードのエッジとストリートから着想を得たスタイリングで知られている。

「ベルルッティ」のアントワン・アルノー(Antoine Arnault)CEOは、アッカーマンの「素材感覚、色彩、そして素晴らしいショーは、いつまでもブランドの歴史に残る」と称賛した。また、アッカーマンの後任は近日中に発表されると語った。

 仏ラグジュアリー業界の重鎮、「LVMH」のベルナール・アルノー (Bernard Arnault)取締役会長兼CEOの息子であるアントワン。彼は「ベルルッティ」を、かつてアンディ・ウォーホル(Andy Warhol)や欧州の貴族たちが顧客として名を連ねるブランドから、男性用のラグジュアリーライフスタイルレーベルへと変身させた。

 同ブランドも傘下に持つ「LVMH」のメンズラインはここ数週間、大きな変貌を遂げている。エディ・スリマン(Hedi Slimane)が「セリーヌ(CELINE)」のアーティスティック・ディレクターの座に就き、英デザイナー、キム・ジョーンズ(Kim Jones)がルイ・ヴィトン(Louis Vuitton)から「ディオール オム(Dior Homme)」へと移り、その後任に「オフ-ホワイト c/o ヴァージル・アブロー(OFF-WHITE c/o VIRGIL ABLOH)」のヴァージル・アブロー(Virgil Abloh)が任命された。

フランス・パリ市内で開催された「ベルルッティ(Berluti)」18/19年秋冬メンズコレクションの様子(2018年1月19日撮影)。(c)AFP/BERTRAND GUAY

 高く評価されている自身のウィメンズレーベルを持つアッカーマンは、「このブランドのために自身のクリエイティビティを発揮できたことをとても誇りに思う」と話した。

 ドリス・ヴァン・ノッテン(Dries Van Noten)やアン・ドゥムルメステール(Ann Demeulemeester)などを輩出したアントワープ王立芸術アカデミー(Royal Academy of Fine Arts)出身のアッカーマンは、2016年9月にアレッサンドロ・サルトリ(Alessandro Sartori)の後任として「ベルルッティ」に迎え入れられた。(c)AFP