【3月4日 CNS】近年、テレビドラマ、アニメ・漫画、ゲームなどの産業が発展するにつれ、声優の存在や業界に注目が集まっている。中国の声優バラエティー番組「声臨其境」によって、裏方だった声優が、表に出てくる機会も増えた。声優業界に春がやってくるのだろうか?

■ブーム再び?

「映画の吹き替え版が盛んだった時代の声優は、モチベーションが高かった」と声優の黄鶯(Huang Ying)さんは話す。

 黄さんは、『ハリー・ポッターと秘密の部屋(Harry Potter and the Chamber of Secrets)』『インセプション(Inception)』など100作以上の映画に声優として出演し、中国国家新聞出版広電総局主催の映画賞「華表奨(Huabiao Awards)」で外国映画優秀吹き替え賞を受賞したこともある。

 映画の吹き替え版が盛んだった1970~80年代は、声優にとっても黄金時代だった。49年、中国外国映画の初の吹き替え版『普通一兵(訳:ある兵士)』が、その後改革開放が進んだこともあって、異文化への憧れから多くの吹き替え版が制作されると同時に、声優も増えた。

「その後、吹き替え版は徐々になくなっていきました」と黄さん。近年は英語が話せる人が増え、吹き替え版より字幕版を見たいという若者が増えたこともある。

 だが、「中国国内の漫画、ゲーム産業が発展してきているので、声優が必要になってくるはず」と黄さんはみている。黄さん自身も、アニメやゲームに出てくるキャラクターの声優を演じたことがあるという。

「二次元」という概念は、中国でも注目が集まっており、声優の実力を発揮できる場にもなってきている。