【2月6日 AFP】中国政府高官に関するゴシップ本などを扱う香港の書店経営者、桂民海(Gui Minhai)氏(53)が中国本土で再び拘束されたとみられる問題で、スウェーデン政府は5日、中国当局が「野蛮な」拘束をしたと非難し、桂氏の解放を改めて求めた。

 スウェーデン国籍を持つ桂氏は1月20日、検診のためスウェーデンの外交官2人を伴って電車で北京へ向かう途中、身柄を拘束された。同氏が中国当局に拘束されたのは2015年に続き2回目。

 スウェーデンのマーゴット・バルストロム(Margot Wallstrom)外相は、中国政府は桂氏について「いかなる時にも自由」だと繰り返し保証していたのに、スウェーデン領事館による支援を無視して「野蛮な介入」を行ったと非難した。

 外相は「中国当局が領事支援に介入することは基本的な国際ルールに違反している」と指摘。今回の問題は中国での法の支配の適用や、自由の恣意(しい)的な剥奪の禁止に関して改めて疑問を投げかけたとも言及した。

 桂氏は2015年に休暇先のタイで行方不明になったときには、拘束後に中国メディアに登場して、交通事故で人を死なせたほか違法書籍の密輸に関わったなどと述べていた。

 中国政府は2017年10月に桂氏の釈放を発表。しかし娘によると、桂氏はその後も東部の港湾都市、寧波(Ningbo)に「自宅軟禁」されていたという。(c)AFP