【2月5日 AFP】9日に開幕を迎える平昌冬季五輪に出場するクロスカントリースキー選手50人以上について、これまでのキャリアで少なくとも一度は疑わしい血液データを申告していたことが報じられた。

 英紙サンデー・タイムズ(Sunday Times)とドイツ公共放送ARDは、生体パスポートが導入される以前の2001年から10年に、2000人のクロスカントリースキー選手から採取された約1万個の血液検査データベースを入手したとした。

 サンデー・タイムズ紙は「データベースは、五輪の品位に関して深刻な懸念を持つ内部告発者がリークした。2人の反ドーピング専門家によるデータ分析は、多くのスキー選手が、自転車ロードレーサーのランス・アームストロング(Lance Armstrong)氏が使ったものと同様の2種類の一般的な血液ドーピングを利用したと結論づけた」としている。

 平昌五輪の出場資格を得た50人以上の選手について、「異常な」血液サンプルがデータベース上にあると伝えられている。

 ARDは「2001年から17年にかけて行われた世界選手権や五輪のメダル313個のうち、46パーセントが一つあるいは複数の異常な値を示した選手によって獲得された」とし、「疑わしい値を出した選手の多くはロシア人ではあるが、クロスカントリースキー大国のノルウェー、スウェーデン、オーストリアやドイツもリストに含まれている」と報じている。

 このデーターベースを分析した米国の反ドーピング専門家ジェームス・ストレイ・グンダーセン(James Stray-Gundersen)氏は「メダルを獲得した多くの選手は、明らかなドーピングを示す、異常、あるいは極めて異常な結果が血液データに見られる」とコメントしている。

 国際スキー連盟(FIS)はサンデー・タイムズ紙に対し、「疑わしい」結果についてはコメントしないとした一方、世界反ドーピング機関(WADA)は、同機関による反ドーピングの取り組みについて「非常に満足している」とコメントしている。(c)AFP