【1月27日 AFP】米体操連盟(USA Gymnastics)は26日、元チーム医師のラリー・ナサール(Larry Nassar)被告による性的虐待スキャンダルを受けて連盟としての認可取り消しを回避するため、同国オリンピック委員会(USOC)の要求に従って理事会が総退陣する意向を明らかにした。

 ナサール被告が治療と偽って少女たちに性的虐待を行った罪で最高175年の禁錮刑を言い渡された不祥事で、米体操連盟は国内の統括団体として生き残るために、USOCがまとめた6項目の条件を満たすことを約束し、「米体操連盟は、USOCの要求に従う」と声明で発表した。

 米ミシガン州の裁判所で1週間以上にわたり行われた審理では、ナサール被告から被害を受けた五輪金メダリストのシモーネ・バイルス(Simone Biles)をはじめ、アレクサンドラ・レイズマン(Alexandra Raisman)、ガブリエル・ダグラス(Gabrielle Douglas)、マッケイラ・マロニー(McKayla Maroney)さんら150人以上の女性が証言を行った。

 ナサール被告をめぐる問題では組織としての対応に被害者から激しい批判が集まり、すでに今月22日には体操連盟のポール・パリリャ(Paul Parilla)理事を筆頭に、ジェイ・バインダー(Jay Binder)理事、ビッツィ・ケリー(Bitsy Kelley)理事の幹部3人が辞任した。

 USOCのスコット・ブラックマン(Scott Blackmun)最高経営責任者(CEO)は25日、米体操連盟が統括組織として残るための条件を突きつけ、その手始めとして、今月末までに理事会が総退陣しなければ、同連盟は「即時の終了手続き」に直面することになるとしていた。

 今後は失脚した幹部を除き、アスリート代表を含めた暫定理事が任命され、12か月以内に常任の理事選挙が行われることになっている。また、米体操連盟は理事会ごとにUSOCの調整役を出席させなければならない。(c)AFP