【12月4日 AFP】イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」から3年前に拉致されたイラクの少数派ヤジディー(Yazidi)教徒のうち約半数が現在も行方不明になっていることが分かった。イラク北部のクルド自治政府関係者が3日、明らかにした。

 ISは2014年にイラク北部のシンジャル(Sinjar)で多くのヤジディー教徒を殺害し、性奴隷にするため数千人の女性や少女を拉致した。

 クルド自治政府宗教省の幹部によると、2014年8月3日以降、ISに拉致されたヤジディー教徒は6417人。救出されたり脱出したりした人は2017年12月1日現在で3207人にとどまっている。残りの3210人の行方は分かっておらず、このうち1507人は女性や少女だという。

 この他にヤジディー教徒の子供2525人が孤児になり、親が行方不明となっている子供も220人に上る。2014年以降、ヤジディー教徒の遺体が埋められた集団墓地が47か所発見されている。

 国連(UN)はISがヤジディー教徒の男女を引き離し、子どもが生まれないようにしていると指摘し、ISによるヤジディー教徒の殺害はジェノサイド(集団虐殺)に当たるとしている。(c)AFP